感想編

アニーとヘレンの名は知ってはいた。
だが、この舞台を観るのに予備知識無しで
行ったのは反省。
特に時代背景の無知が仇となった。


内容としては、アニーの生い立ち、過去を
描いていたのは好感。
これによりケラー一家との関係をより深く
感じられる。
また、ケラー一家の内情というか事情にも
触れ、ただ「アニーとヘレンの物語」として
ではなく、関わる全ての人にスポットがあたり
作品に奥深さを与えている。


演技としては、ヘレン役の石原さとみさん。
冒頭の家の中で暴れ回る一面で躊躇いも無く
柱にぶつかるシーン。
見えていない演技を見える人が演じる難しさを
このシーンで忘れさせてくれました。
普段はカメラや記者、リポーターなどに
「目線」を合わせるのが基本となっているでしょう。
だが、ヘレンには一切みえてはいない。
だから、モノを探す時も人と触れ合う時も視線を
あわす事はまずない。
普段意識していない事を意識してずらす作業は
困難を極めたと思われる。
だが、それを感じさせない振る舞いに女優を見た。


アニー役の田畑智子さん。
アニーの過去を表し、また、それを乗り越え
強くなっていく過程の表現は見事。
ヘレンとのぶつかり合いにも手加減などは
全く感じさせず見ていてハラハラしました。
ある意味時代劇の殺陣より難しかったと思う。
だからこそ、ヘレンと心の通じた時の感動は
熱かったです。


それにしても舞台は迫力が違います。
改めて思い知らされました。
また、都内近郊にいながらこの様な素晴らしい
ものを見逃し続けていた事に後悔しました。
機会があればミュージカル、舞台問わず
観に行きたいものです。